『海底美術館』海を保護する人型彫刻たち。“ジェイソン・デクレアズ・テイラー”

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海の上に立つオブジェと黒い人影。なんとも不思議な光景です。
これらは本物の人が立っているわけではなく、人間の形をした等身大の彫刻作品です。少々不気味な雰囲気ではありますが、どこかミステリアスな魅力があります。こちらは現代美術と海洋生物の保存を統合するアーティストとして知られているイギリスの彫刻家、ジェイソン・デクレアズ・テイラー(Jason deCaires Taylor)が手掛けた海底美術館「The Sculpture Coralarium」です。

こちらの海底美術館はモルディブの「フェアモント・モルディブ・シル・フェン・フシ」のリゾート内に建てられています。
美術館を見るにはシュノーケリングで500フィート(およそ150m)ほどの泳ぎが必要となります。たどり着けば、館内は「上段」「中段」「下段」の3つの段階に分かれており、完全に沈みきっている彫刻も見ることができます。

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美術館はサンゴ礁の保護に対する意識を高めるために建てられました。
立方体の壁はサンゴのパターンを参照しながら、海洋生物が通過できるように設計されているため、生きものたちの住処にもなっています。

しかし、環境のことを考えて作られたはずの「The Sculpture Coralarium」は人間の姿をした彫刻が反イスラムだとみなされ、元大統領命令によって2018年に解体されてしまいました。人間の彫刻だけを取り除き、主要な構造はそのままでサンゴの修復プログラムも生き残っているとのことですが、非常に残念です。
解体されてしまったことについて彼は「悲しい一日だった」と言い、「人間と環境をつなぎ、海洋生物が繁栄するための育成空間となるようにと考えました。他にはなにもない」と美術館を建設した理由と、宗教的な意味は含まれてないことを訴えています。

彼による海底美術館は他にもあり、メキシコの「MUSA(Museo Subacuático de Arte)」や、スペインのランサローテ島の「Museo Atlentico」は壮大なスケールで建設されています。

もっと深く『海底美術館』については知るには、ナショナルジオグラフィックが出版している本をオススメします。
海底に届く太陽光によって、地上ではあり得ないほどに美しく写し出された彫像が、サンゴの成長とともに変化していく過程が興味深い1冊です。 

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Jason deCaires Taylor
HP : https://www.underwatersculpture.com
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Reference : WikipediaDeeper Bluenewatlas

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