無生物から新たな生命を作り出すブロンズ彫刻家 “ロマン・ラングロワ”

歴史や文脈の下地がないと理解するのが難しいコンセプチュアルな作品とは違い、フランスの彫刻家、ロマン・ラングロワ(Romain Langlois)は、誰が見ても瞬時に面白い!と思える、ブロンズを使用した美しく、そして不思議な彫刻を生み出しました。

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ずっと眺めていると、まるで石が生きているかのような、石に寄生した宇宙生物のような… 少し不気味ですが、非常に興味を惹かれます。
彼はブロンズと石を結合することで、無から有を生み出す錬金術師のように全く新しい何かを作ります。生命力に満ちたものではなく、枯れてしまったものや石材などと、ブロンズを掛け合わせることにより、あたかも生きているような物体の誕生を錯覚させます。造形的にもとても美しく、ブロンズの光沢や滑らかさが、荒れた岩肌を鮮明に浮かび上がらせています。

彼は1977年にサンテティエンヌで生まれ、20代前半に建築家として5年間働いていました。その経験がデザインの感性と空間に対する感覚を育て、その後の彫刻作品の造形に活かされているのです。

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「適応し変異しながら環境と相互依存して生きている我々は、単細胞生物と似ている」そう語る彼の思想は、西洋的というよりも東洋思想に近く、仏教の因縁によって成り立つ縁起や輪廻を彷彿とさせます。人間とは誰かとの関係を表す言葉なので、そのこと自体が相互依存とも言い換えられます。
生命を持たない物質同士を組み合わせて新たな物体を作る行為は、ある意味では東洋思想的なアプローチで相互依存し合っている人間そのものを表しているのかもしれません。

幼い頃から筆を持っていたような先天性のアーティストもいますが、ロマン・ラングロワは、彫刻だけでなく建築や解剖学、装飾美術など幅広い分野を学び、作品の制作をしています。何らかの啓示や偶然ではなく、計画を立ててプロセスを経てアーティストになった稀有な存在です。

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Romain Langlois
HP : https://www.romain-langlois.com
Instagram

Reference : WidewallsArtistics1stdibs

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コメント

    • フォス
    • 2019年 1月 13日 02:07

    完全に宝石の国

 
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